「ベタだけど…」「ベタなオチだね」「ベタな展開だ」
友人と話をしている時に、よくこのようなセリフを言ってしまう事はないでしょうか。よく漫才でも予測できるボケをした時に「ベタやなぁ」なんてことも言いますよね。
しかし、改めて「ベタ」とは一体何なんだろう…と思ってしまうことがあるかもしれません。
「ベタ」の由来については諸説ありますが、最も有力なのは、建物の壁や床を塗る左官業の専門用語から来ているとする説だそうです。
左官業ではペンキでなんの凹凸もなく壁や塀を塗ることを「ベタ塗り」と言います。この「ベタ」が「何の工夫もない」といったようなニュアンスで普通の会話でも使われるようになったとのこと。「ベタ」は「ありきたり」という語とも同じ意味ですよね。
それでは、「ベタ」「ありきたり」とは英語ではどう表現すればよいのでしょうか?
こんな単語や表現を使います
■ stereotyped:ありふれた、型にはまった、陳腐な
■ all-too-common:ありふれた、よくありがちな
■ cheesy:つまらない、ありふれた
■ cliche:ありふれた、型にはまった
こんな言い方ができます
■ I think that movie was a stereotyped sob story.
(あの映画はベタなお涙頂戴ものだったと思う。)
■ Your ideas are always too stereotyped.
(君の考えはいつもありきたり過ぎる。)
■ Isn’t it all-too-common to go to Disneyland on Christmas Day?
(クリスマスにディズニーンドいくとかベタじゃない?)
■ It is all-too-common to sell information products online.
(オンラインで情報商材売るとかありきたり。)
■ We didn’t expect that kinda cheesy punchline,
(そんなベタなオチは予測してなかった。)
■ You must be tired of cheesy happy ending.
(君はありきたりなハッピーエンドにウンザリしてるに違いない。)
■ Oh my gosh, That’s too cliche.
(なんてこった。ベタ過ぎるだろ。)
■ Pardon the cliche, but let’s go to the hotel.
(ありきたりで申し訳ないけど、ホテルに行こう。)
補足
「ベタ」「ありきたり」はニュアンスとしては「cliche」が最も近いですが、これはフランス語由来の単語。覚えにくいうえに馴染みもないですよね。
「stereotyped」「all-too-common」もストレートで伝わりやすいですが「ベタ」というスラング的な言い方をしたい場合すこし物足りない。余裕がない方は「That’s too stereotyped(それ、ベタ過ぎるよね)」なんていう言い方を暗記したらよいと思います。
少しひねりが欲しい人には「cheesy」という表現をオススメします。「cheesy」は言葉の通り「チーズのような」という意味でもあります。ですが「くっさぁ」というニュアンスの「下劣な」「安っぽい」という意味も表現できるんです。
元来チーズはイギリスでは小さくで非常に効果なものでした。しかしアメリカに輸入され、大衆化されてそのニュアンスが薄れていきました。同時にアメリカではチーズは「安っぽくて質の悪い」を意味するものに変わっていったそうです。このニュアンス、日本語の「ベタ」に少し似ていますよね。
という訳で、「cliche」「stereotyped」「all-too-common」も良いですが「それベタすぎ~!」と言いたい場合は「That’s too cheesy」と表現すると良いかもしれません。
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