ネコババとは、他人のものをこっそり隠して自分のものにするという意味です。ネコババを漢字で書くと「猫糞」と書きます。猫がフンをした後に砂をかけて隠すことから、そういう意味で使われるようになったそうです。
糞をババと呼ぶのは、江戸時代の幼児語で、今の言葉でいえば便をウンチと呼ぶ感じですね。汚いものを「ばっちい」と言うのも、糞(ババ)から派生した言葉なのだそう。猫好きの老婆が借金をなかなか返さなかったことから「猫婆」を語源とする別の説もあるようです。
日本には「ネコババ罪」という犯罪はありませんが、ネコババにあたる罪としては、遺失物横領罪(刑法254条)または窃盗罪(刑法235条)があります。そして、どちらの場合も最悪、懲役を科される可能性がありますので、この記事を見ている方は決してしないように。
もし、あなたが海外旅行に行って、ホテル内で財布がなくなった。状況から考えてホテルマンしかない。そんな時「ホテルマンにネコババされたかも」って英語で言えますか。
果たして「ネコババ」というフレーズは英語ではどう表現すればよいのでしょうか?
こんな単語や表現を使います
■ embezzlement : ネコババ
■ embezzle : ネコババする
■ embezzling: ネコババ
■ pocket : ネコババする
※発音は単語をクリックすれば確認できます
こんな言い方ができます
■ If you embezzle, you’ll lose your job.
(ネコババしたら職を失う。)
■ They were arrested for embezzlement.
(彼らはネコババで逮捕されてしまった。)
■ The embezzling employee was fired.
(ネコババ職員が首になった。)
■ He pocketed the money.
(彼はそのお金をネコババした。)
補足
英語では「猫」と関係ありません。「Embezzling」が以上のように形容詞として使えます。「ネコババする人」の名詞は「embezzler」です。
ちなみに猫をつかった英語のイディオムにはこんなものがあります。
It’s raining cats and dogs.「土砂降りだ。」
Look what the cat dragged in.「誰かと思ったよ。」
Curiosity killed the cat.「好奇心は命取りになる。」
Cat has nine lives.「猫には9つの命がある(猫はなかなか死なない)」
Don’t let the cat out of the bag.「秘密を漏らさないようにしろ。」
When the cat’s away, the mice will play.「鬼の居ぬ間に命の洗濯。」
「It’s raining cats and dogs」はすごく有名なイディオムですよね。学校でならったことあるという人もいるかと思います。実は私はネイティブがこの表現を使うのを聞いたことがありません。本ではたまに書かれているのを目にしますが。
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