耳かきするとスッキリして気持ちいいですよね。でも実は、耳かきはどうやら日本や韓国、インドなどのアジア圏独自の文化だそうです。
海外では、耳掃除そのものはするべきではないと考えている人も多いようです。耳の中に棒のたぐいを入れるのを法律で禁じている国すらあるとか。
耳の中には何も入れないほうがいいというのはヨーロッパ全域の考え方のようです。日本人の女性と結婚したイギリス人男性が、日本の妻が夫の耳掃除をすることに驚いたという話もあります。英国では耳掃除は耳鼻科の仕事と思われているそうです。
医学的な面からすると、必ずしも耳かきが必要ということではないようです。
ちなみに海外では、ドラッグストアで耳垢を溶かす薬が手軽に購入できます。耳垢を溶かす薬を耳の中に流し込むと固くなった耳垢が柔らかくなり液体とともに流れ出てきます。日本では考えられませんね。
耳かきがある国とない国がある理由は、人種によって耳垢の性質が違うからです。北部の中国人や韓国人で湿性耳垢は4 – 7%、ミクロネシア人やメラネシア人では60 – 70%、白人では90%以上、黒人は99.5%が湿性耳垢であると言われています。
湿性耳垢の場合、いわゆる日本人が使う片側が綿毛で反対側が掻き手になっているものより綿棒の方が耳垢が取れやすいのです。耳垢を英語で言うと「Ear Wax」と言います。
そうした理由があるため、英語には「耳かき」という言葉はありません。厳密に言えば、「earpick」ですが、あまり伝わりません。
綿棒しかありません。綿棒を表す英語は国によって異なります。例えばイギリスでは「cotton bud」といいアメリカでは「cotton swab」といいます。
しかし両方の国で綿棒は「Q-tip」という英語で通じます。
こんな単語や表現を使います
■ Q-tip : 綿棒
こんな言い方ができます
■ The insides of my ears were itchy, so I scratched them with a Q-tip.
(耳の中が痒かったから綿棒で掻いた。)
■ The Q-Tip is actually dangerous to your health when it’s used in the ear.
(耳に使われてる綿棒は実は危険なんです。)
■ Using Q-Tips feels great but you shouldn’t use it.
(綿棒を使うと気持ちいいですが使うべきではありません。)
補足
「Q-tip」というのはもともとブランド名でしたが、今ブランドを関係なく「綿棒」は「Q-tip」と言います。
日本で売られている綿棒に比べ、この「Q-tip」はどうも頼りなく思えます。コットン部分の巻きがしっかりしていなくて、すぐに形が崩れてしまいます。
商標登録の名前が一般化した同じような例は「Band-Aid」という言葉です。「Band-Aid」は傷テープのブランドでしたが、アメリカ人は傷テープの種類を全て「Band-Aid」と言うようになりました。
余談ですが、アメリカには「Q-tip」というニューヨーク出身の有名なラッパーがいます。良かったぜひ使ってみましょう。
コメント