私たちが何気なく使っていて外国人にとっては非常に難しい日本語表現の一つに「結構」があります。
そのままの意味で捉えると「結構です」はという満足や賞賛の意味ですが、改めて考えてみると、私たちはこの単語を「いいえ、結構です」と否定の意味で使うことの方が多いのではないでしょうか。
なぜ「結構です」が否定の意味になるのか。それは、すでに満足していて、それ以上は不要という意味だから。日本人にとってはこのように理解するのはそれほど困難ではありません。
しかし、外国人の日本語学習者に「結構です」の意味の説明を求められることはあるかもしれません。「結構です」は英語ではどう表現したらよいのでしょうか。
こんな単語や表現を使います
「結構です」は満足・賞賛という肯定の意味、不要であるという否定の意味の2種類に分けることができます。2種類に分けて考えていきましょう。
①満足・賞賛の意味の結構です
■ excellent:たいへん結構です
■ it’s a good thing (that ~):それ(~なのは)はよい事だ
■ good:良い、結構な
②不要の意味の結構です
■ no, thank you:いいえ、結構です
■ no, i’m fine/good:いいえ、結構です
■ no, that’s fine:いいえ、結構です
こんな言い方ができます
満足・賞賛の意味の「結構です」。否定の意味の「結構です」。それぞれ例文を考えてみると、このようになりました。
①満足・賞賛の意味の結構です
■ That was an excellent performance.
(たいへん結構な演技だったよ。)
■ It’s a good thing that Hatena Bookmarkers bookmark this page.
(はてなブックマーカーがこのページをブックマークするのは結構なことだ。)
■ Your coffee tastes good.
(君の入れてくれたコーヒーは結構な味だ。)
②不要の意味の結構です
■ A:Do you need any help? B:No, thank you.
(A:何か手伝おうか?B:いいえ、結構です。)
■ A:Do you want me to buy something? B:No, i’m fine.
(A:何か買ってきて欲しい?B:いいえ、結構です。)
■ A:I can take you home.B:No, i’m good.
(A:君の家まで送るよ。いいえ、結構です。)
■ A:Would you like something to drink? B:No, that’s fine.
(A:何か飲み物が欲しいですか? B:いいえ、結構です。)
補足
「結構です」は相反する2つの意味があるので、英語ではどう表現すれば迷うかもしれません。しかし肯定の時は「excellent/good」を使う、否定の時は「no, thank you/i’m good」を使う。こう覚えておけば咄嗟の時にも困らないでしょう。
英語を日常的に使い始めると、よく咄嗟に言いたい表現が出てこない場面に遭遇します。そういう時は、その日本語表現の同義語を考えて英語にするとよいです。今回の場合は「結構です」→「すばらしいです/よいです」or「大丈夫です」といった風に。
言語を話す際は、この表現は必ずこういう言い回しになるんだ、と固定概念に捉われず、柔軟に考えることが大切です。
コメント