投げやりで自暴自棄になっている。誰の言うことも聞かずむっつりと拗ねている。雰囲気がどこなく無気力である。私たちはそのような状態の人のことを「やさぐれ」と表現します。
言い換えれば「投げやりになる」「すねる」という意味になります。学業をおそろかにしている不良のようなイメージです。この「やさぐれ」の語源はどこにあるのでしょうか。
実は「やさ」は刀の「鞘(さや)」から来ています。刀が鞘に収まるように、人も帰るべき場所である家に帰る。この場合「鞘(さや)」は家や住宅を意味し、それを逆読みしたのが「やさ」です。「やさ」は家や住宅を意味する極道用語でもあります。
そして「ぐれ」は青年や少年が反社会的な行動をとるようになる事を意味する「ぐれる」から由来していることは想像に難くないと思います。「ぐれる」には「はずれる」という意味もあります。
つまり「やさぐれ」とは家から外れること。まさに社会から逸れて非行を行うような様子を言う表現となります。
日本では一昔前に「詰め込み教育」により学業についていけず「やさぐれ」てしまった不良が増え社会問題になりました。しかし海外、特にアメリカでは不良の数も、その程度も日本の比ではありません。
海外にも「やさぐれ」た不良がたくさんいるのです。それでは「やさぐれ」は英語ではどう表現すればよいのでしょうか。
こんな単語や表現を使います
■ outlaw:無法者、お尋ね者
■ apathetic:無気力な、無感動の
こんな言い方ができます
■ I can’t stand his his outlaw attitude at all.
(彼のやさぐれた態度に我慢ならない。)
■ My boyfriend has became an outlaw person.
(彼氏がやさぐれた人になってしまいました。)
■ You look so apathetic. What happened to you?
(すごくやさぐれているように見えるけど。何かあったの?)
■ There are many apathetic students in our high school.
(私たちの高校にはやさぐれている学生が沢山います。)
補足
「やさぐれ」に最も近い英語表現は「法から外れる」という意味の「outlaw」が最もしっくりきます。投げやりになったり拗ねたりしている場合は無気力でもあるので、「apathy(無気力)」の形容詞である「apathetic」も使えそうです。
とはいえ「outlaw」「apathetic」以外で「やさぐれ」の意味としてピンとくるものはありません。「やさぐれ」は状況によって「outlaw」「apathetic」を使い分けるしかなさそうです。
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