日本では食べ放題のお店はしばしば「バイキング」と呼ばれますよね。「バイキング」は横文字ですが、これは完璧な和製英語です。英語圏の人に食べ放題の意味で「バイキング」と言っても「???」と反応されます。
世界史が得意だった人はピンと来るかもしれませんが、「バイキング(Viking)」はもともと10世紀頃に海賊をしていたゲルマン族の一派、単なる民族の呼称です。
その民族名がなぜ日本で「食べ放題」を意味するようになったのでしょうか。
1957年に帝国ホテルの社長がデンマークに旅行したとき、当時の日本にはなかった「好きなものを好きなだけ食べる」というスタイルを見つけ驚きました。そして帰国後に自身のホテルの新館でそれを取り入れ、店の名前を「バイキング」と名付けたのです。
実はスウェーデンやデンマークでは、「食べ放題」に相当する「スモーガスボード(smörgåsbord)」という語があるのですが、これが日本人にとっては凄く発音のしにくい単語だったのです。そこで帝国ホテルの社長が「バイキング(Viking)」という店名にしようと決めました。
そして帝国ホテルの食べ放題レストラン「バイキング」は、その後に大ブレイク。いつの日か日本では「バイキング」が食べ放題を意味する代名詞になってしまったのです。
以上から安易に英語圏の人に食べ放題の意味で「バイキング」と言うのは避けたいです。では「食べ放題」「飲み放題」は英語ではどう表現したらよいのでしょうか。
こんな単語や表現を使います
■ all-you-can-eat:食べ放題の、バイキング形式の
■ buffet:セルフサービス式の、ビュッフェスタイルの
■ all-you-can-drink:飲み放題の
■ free flow:飲み放題の
こんな言い方ができます
■ We have an all-you-can-eat special for \2,000.
(2000円の食べ放題のスペシャルコースがあります。)
■ Is this all-you-can-eat?
(食べ放題ですか?)
■ I had a buffet lunch yesterday.
(昨日は食べ放題のお昼を食べた。)
■ Let’s go to a buffet tonight.
(今晩、食べ放題に行こうぜ。)
■ It is all-you-can-drink in this CASINO.
(このカジノでは飲み放題です。)
■ All-you-can-drink for free in my house.
(我が家ではタダで飲み放題。)
■ You can enjoy a free flow package here.
(ここでは飲み放題のパッケージをお楽しみいただけます。)
■ I had a lunch with free flow of wine.
(ワインの飲み放題つきのランチを頂きました。)
補足
「食べ放題」「飲み放題」と英語で表現したい時は「all-you-can-eat/drink」という表現を使うのが一般的です。
「buffet」も英語では「飲み放題」の意で伝わりますが、どちらかと言うとセルフサービス式の昼食という側面が強く、使える場面は限定されます。「free flow」も地域によっては伝わらない場合もあるしょう。
少し長いシラブルなので発音しやすいとは言い難いですが、「食べ放題=all-you-can-eat」「飲み放題=all-you-can-drink」を覚えて使う他なさそうです。
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