日本は島国という地理的条件から、他国とは一線を画した独特な文化が育まれてきました。我々が日ごろ使う日本語も大半の外国人からすると非常に特殊です。
その特殊さを表す典型的な日本語の表現として「よろしくお願いします」が挙げられます。「よろしくお願いします」は非常に便利な表現で、私たちは様々な場面で無意識に使うことが多いです。
しかし改めて「よろしくお願いします」の意味を考えてみると、様々な意味を含有していることが分かります。よくよく考えてみると、以下の6つの状況のときに使う言葉なのではないでしょうか。
①「はじめまして」のよろしくお願いします
②「今後ともお世話になります」のよろしくお願いします
③ 仕事で会った直後のよろしくお願いします
④「頼みます」のよろしくお願いします
⑤ メールの文末のお願いします
⑥「よろしく伝えといて」のよろしくお願いします
このような「よろしくお願いします」の英語での言い方を考えていきましょう。
こんな単語や表現を使います
「はじめまして」、「今後ともお世話になります」、仕事で会った直後、「頼みます」、 メールの文末、「よろしく伝えといて」の6つの「よろしくお願いします」。それぞれ英語に砕いていくと、以下のようになりました。
①「はじめまして」
■ Nice to meet you:はじめまして
■ Please/Glad to meet you:お会いできてうれしいです
■ I was looking forward to meeting you!:お会いできるのを楽しみにしていました
②「今後ともお世話になります」
■ Nice meeting you:お会いできてよかったです
■ It was nice meeting you:お会いできてよかったです
■ I’m looking forward to seeing you next time:次回会えるのを楽しみにしています
■ Pleased to meet you:お会いできて光栄です
③ 仕事で会った直後
■ Looking forward to working with you:一緒に仕事できるのが楽しみです
■ I’m excited to work with you:一緒に働けるのでワクワクしています
④「頼みます」
■ Thank you for your cooperation:ご協力ありがとうございます
■ I’m looking forward to hearing from you:お返事頂けるのを心待ちにしています
■ Thanks in advance/Thank you in advance:予めお礼を言っておきます
※「Thanks in advance/Thank you in advance」は押し付けがましい表現なので注意
⑤ メールの文末
■ Regards:よろしく
■ Best/Kind/Warmest regards:よろしくお願いします
■ Thank you:ありがとう
⑥「よろしく伝えといて」
■ Please say hello/hi to ~:~によろしく伝えといてください
■ Give my (best) regards to ~:~によろしくご伝達お願いします
※「Give my regards to~」は少し丁寧な言い方です
こんな言い方ができます
「はじめまして」、「今後ともお世話になります」、仕事で会った直後、「頼みます」、 メールの文末、「よろしく伝えといて」の6つの「よろしくお願いします」。それぞれ例文を考えると以下のようになりました。
①「はじめまして」
■ Hello, this is Tommy. Nice to meet you.
(はじめまして、トミーです。よろしくお願いします。)
■ Hi this is Mary. Glad to meet you.:
(どうも、メアリーです。よろしくね。)
■ I am so excited to work with you. Nice to meet you.
(あなた方と一緒に働けるのでワクワクしています。よろしくお願いします。)
②「今後ともお世話になります」
■ Thank you for inviting me. Nice meeting you.
(招待頂いてありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。)
■ Thank you for your time. I’m looking forward to seeing you next time.
(お忙しいところ有難うございました。今後ともよろしくお願いします。)
③ 仕事で会った直後
■ Nice to meet you. Looking forward to working with you.
(はじめまして。どうぞよろしくお願いします。)
■ I’m Bob from ABC company. I’m excited to work with you.
(ABC社のボブです。よろしくお願いします。)
④「頼みます」
■ If you have any questions, please let me know. Thank you for your cooperation.
(もし質問などあればご教示ください。よろしくお願いします。)
■ I assign this task to you. Thanks in advance.
(この仕事おまえに任せるわ。よろしく。)
⑤ メールの文末
■ That’s all. Best regards.
(以上です。よろしくお願いします 。)
■ I appreciate your help. Thank you.
(ご協力感謝いたします。よろしくお願いします。)
⑥「よろしく伝えといて」
■ Say hello to your brother for me.
(弟さんによろしく。)
■ Give my best regards to all your family.
(ご家族さんによろしく伝えておいてください。)
まとめ
このように「よろしくお願いします」を英語にしようとすると、様々な言い方に変える必要があります。その複雑さから、外国人でも日本人とのメールのやりとりに慣れている人なら「Yoroshiku Onegaishimasu」と送ってくる場合もあるほどです。
例に挙げた表現を改めて見返して頂ければ分かると思うのですが、「よろしくお願いします」は、全て基本的な挨拶です。そのため「よろしくお願いします」と伝えるというより、単純に挨拶するという意識を持って使った方が良いかもしれません。
案外慣れると便利なのは「Regards」「Best Regards」などのメールの文末の挨拶です。これは「Regards = よろしく」という意味で暗記して使うと、非常に便利な言い回しであることが実感できます。
コメント